「楓さま、忘れないうちにペンダントをお外し下さい」
「そうだわ、忘れてた。サプライズが成功したら外すのだったわね」
私は胸元からロケット型のペンダントを外してヘストンさんに渡した。
「なんだそれは。---そうか、これのせいで楓の匂いがわからなかったのか」
クリフ様が苦々しく呟いた。
本来竜族は嗅覚がいい。
少しくらい変装をしても匂いで見破られてしまうのだ。しかも私は竜王の鱗を身体に貼っている。
いわば竜王にマーキングされた状態になっていて、変装など何の役にも立たない。
そこで登場したのがこのロケット型のペンダント。
サプライズがしたい私とクリフ様をからかいたい魔法省の長官との利害が一致してこれを渡されたのだ。
これをつけていると体臭を消すことができる。
本来の使い方は隠密活動をするときに使用するらしいのだが。
「こんなもん楓に渡しやがって、あのジジイめ。今頃腹を抱えて笑っているのだろう」
忌々しいと舌打ちをして悔しがっているクリフ様の様子に、長官とは師弟関係だと聞いていたけれどそれ以上の親しさを感じて私もクスリと笑ってしまった。
「そうだわ、忘れてた。サプライズが成功したら外すのだったわね」
私は胸元からロケット型のペンダントを外してヘストンさんに渡した。
「なんだそれは。---そうか、これのせいで楓の匂いがわからなかったのか」
クリフ様が苦々しく呟いた。
本来竜族は嗅覚がいい。
少しくらい変装をしても匂いで見破られてしまうのだ。しかも私は竜王の鱗を身体に貼っている。
いわば竜王にマーキングされた状態になっていて、変装など何の役にも立たない。
そこで登場したのがこのロケット型のペンダント。
サプライズがしたい私とクリフ様をからかいたい魔法省の長官との利害が一致してこれを渡されたのだ。
これをつけていると体臭を消すことができる。
本来の使い方は隠密活動をするときに使用するらしいのだが。
「こんなもん楓に渡しやがって、あのジジイめ。今頃腹を抱えて笑っているのだろう」
忌々しいと舌打ちをして悔しがっているクリフ様の様子に、長官とは師弟関係だと聞いていたけれどそれ以上の親しさを感じて私もクスリと笑ってしまった。