そういえば、まだまだ聞かなくてはいけないことがある。質問の続きをしなくてはと思っているとノックの音がした。
クリフ様の侍従も護衛の方も全て追い出してしまったから私が対応をしなくては、と立ち上がろうとすると「いいよ」と止められた。
「入れ」
クリフ様の王さまらしい毅然とした口調にどきりと胸が高鳴る。
もう、どうしたっていうんだろう。
クリフ様の声に、凛々しい横顔に、すっきりした顎のラインにドキドキする。
「失礼します」
入ってきたのはクリフ様の秘書さんだった。
「お話の途中に申し訳ありません。そろそろ晩餐の時刻になりますのでお知らせに参りました。楓さまのご様子も気になりましたし」
そう言ってクリフ様と私の顔を交互に見てくると、クリフ様は仕方ないという顔をしながら何も答えず頷いた。
「ああ、楓さまに鱗を受け入れてもらったんですね。それは良かった」
秘書さんには直接私の背中の鱗を見なくても鱗のことがわかってしまうらしい。
「クリフォード様の顔を見れば一目瞭然ですよ」
私に笑顔を見せた秘書さんは更に私の思考も読んでいた。
まさか、魔法?
「いいや、今のは楓の顔を見ていれば誰でもわかる。魔法ではない」
「え、やっぱり魔法なんじゃないですか?どうしてクリフ様も秘書さんも私が口に出していないのに返事をするのでしょう?」
やだ、やだ、こわい。
勝手に思考を読まれるなんて。
身体を退くとまたクリフ様に笑われた。
「楓がわかりやすすぎるんだ」
そんなはずない。
だって、伝説の竜族なんだもの。
私の知る世界には魔法なんてないけれど、世界の創始者である竜族なら魔法を使うことくらいなんでもないはず。
クリフ様の侍従も護衛の方も全て追い出してしまったから私が対応をしなくては、と立ち上がろうとすると「いいよ」と止められた。
「入れ」
クリフ様の王さまらしい毅然とした口調にどきりと胸が高鳴る。
もう、どうしたっていうんだろう。
クリフ様の声に、凛々しい横顔に、すっきりした顎のラインにドキドキする。
「失礼します」
入ってきたのはクリフ様の秘書さんだった。
「お話の途中に申し訳ありません。そろそろ晩餐の時刻になりますのでお知らせに参りました。楓さまのご様子も気になりましたし」
そう言ってクリフ様と私の顔を交互に見てくると、クリフ様は仕方ないという顔をしながら何も答えず頷いた。
「ああ、楓さまに鱗を受け入れてもらったんですね。それは良かった」
秘書さんには直接私の背中の鱗を見なくても鱗のことがわかってしまうらしい。
「クリフォード様の顔を見れば一目瞭然ですよ」
私に笑顔を見せた秘書さんは更に私の思考も読んでいた。
まさか、魔法?
「いいや、今のは楓の顔を見ていれば誰でもわかる。魔法ではない」
「え、やっぱり魔法なんじゃないですか?どうしてクリフ様も秘書さんも私が口に出していないのに返事をするのでしょう?」
やだ、やだ、こわい。
勝手に思考を読まれるなんて。
身体を退くとまたクリフ様に笑われた。
「楓がわかりやすすぎるんだ」
そんなはずない。
だって、伝説の竜族なんだもの。
私の知る世界には魔法なんてないけれど、世界の創始者である竜族なら魔法を使うことくらいなんでもないはず。



