「かしこまりました。あ、申し訳ございません。発見したのはわたくしなのですが、上司に報告する際に見せてしまいました」

「いえ、それは仕方ありません。できればこの先見せないで頂ければ結構ですから。明日もそちらにお伺いする予定になっていますので、その時まで保管していただけますか」

「かしこまりました。そのようにいたします。それで、保管に際して気を付けることなどございますでしょうか?」

薄くてキラキラしたものである。
花弁のように吹けば飛ぶと言うほど軽くはないが、何せ鱗みたいなのだから乾燥に弱いとか特殊な保管方法があるのかもしれない。

「あなた以外の人に触らせない、人目に触れさせないということで。ああ、決して無くさないようにお願いします。失礼ですがあなたのお名前は」

「わたくしは秋月楓と申します。ではわたくしが責任をもって保管させていただきます」

電話を切った後で気が付いた。
保管する際、湿度は気にしなくていいんだろうか。
鱗っぽいしカピカピに乾いて割れたりしないかな。