そして視線より下が雲海みたいなもくもくとした雲。
高い山に登ってみる景色のようでここは高山地帯なんだとわかる。
空と雲以外に目印でもあるんだろうか。
よく見えてないのかと私は少し前に出てテラスから身を乗り出して下をのぞき込んだた。

「楓!」

急にクリフォード様が私のお腹に手を回し抱きとめる。いきなりで私の方が驚いてしまった。
ちょっと身を乗り出しただけなのに。

そのまま後ろから抱き締められ背後でクリフォード様のため息が降ってきた。
「息が止まるかと思った。楓、頼むから危ないことはしないで欲しい」

「ちょっと身を乗り出しただけですけど、そんなに危険なんですか?」
テラスの真下も濃霧で地面がどうなっているのかよく見えない。
この下は川が流れていてワニやピラニアがいるとか、もしかしたら崖になってるとか?

「楓が落ちたらと思ったら・・・楓は飛べないだろう?もちろん私がすぐに竜になり助けるが、それでも何十メートルは落ちるかもしれない。いやもっとかも」

え?