「ヤダっ。お母さん、変な色の涙がっ」と言う間に今度は吐き気がこみ上げてくる。

悪いものを食べた記憶も拾い食いをした記憶もないのに、気持ち悪い。

「吐きそう・・・」と俯くと、隣にいる母からビニール袋を渡された。

ここに吐けと?衆人環視の中で嘔吐は嫌だなと思いつつ、母に背中をさすってもらっていると、お腹から何かがこみ上げてきて『それ』が口から飛び出した。

え?
何?今、ボールみたいなものがお腹から飛び出してこなかった?

吐いてしまえばすっきりしたもので、耳や目のかゆみも治まっている。涙も出てこない。

「おお!出たか」
「出たわね」
「これがーーーー」

三人は私が握っているビニール袋の中身に注目していた。

そこにはいかにも怪し気な物体、紫色のマーブル模様のゴルフボール大のぬめぬめと怪しく光る玉があった。
何なの、これ!