ーーー来るぞ。ーーー
ヴィーが空を見上げて呟いた。
「何が?」
ーーー嵐だ。ーーー
嵐?ここに来てから一日だって雨すら降ったことはない。毎日が晴天だ。変化があるのは雲の量くらい。それが、なぜ嵐?
すると、ぽつりぽつりとヴィーの張ってくれた結界に雨が当たる音がしてくる。
あっという間に空は黒い雲に覆われ、叩きつけるような雨に変わる。
急激な天気の変化に驚き声も出ない。
ーーー竜王が混乱し怒り狂っているんだ。ーーー
え?と思った途端、閃光と地響きがして雷が落ちたのだとわかった。
ーーーこの中にいれば安全だが・・・竜王め、相当混乱しているな。
わかるか、楓。この嵐は竜王が引き起こしている。
鱗を外され自分が鱗を通して感じていた楓の気配が消えたのだ。番を見失った竜王は我を失って暴れているんだろう。ふふ、哀れなことだ。ーーー
「これはクリフ様が起こしているってこと?」
ーーーそうだ。竜王の力は天候をも変えられる。
普段は自然の流れに逆らわない。見守るのが奴の使命だ。
だが、竜王の力は強大だ。精神が安定しなければこういう事になる。ーーー
嘘でしょ。そんなこと聞いてない。
薄笑いを浮かべるヴィーに
「知っててなんで教えてくれなかったの。これじゃあ他の人たちに迷惑がかかっちゃうじゃないの」
と食って掛かった。
ーーー大丈夫だ、数日間嵐が来たところで天上界が無くなることはないだろう。ーーー
「天上界だけの話じゃないわ。地上はもっと繊細だよ。作物とか都市の水害とか」
ーーーそんなことが起こる前に側近たちが竜王を諫めるはずだ。楓が気にすることじゃない。お前はお前で考えなきゃいけないことがあるんだろう?竜王のことはほっとくんだな。ーーー
ヴィーはそれきり黙ってしまい、大きな身体に変化すると身体を丸めて目を閉じてしまった。
ヴィーの張った結界のドームに雨が激しく叩きつけ、曇天の空に雷鳴が鳴り響く。
・・・鱗をはがした私にクリフ様が怒ってるんだ。
私は足元のハーピアの葉っぱの上に置いた白っぽくなってしまった鱗を見つめた。
ヴィーが空を見上げて呟いた。
「何が?」
ーーー嵐だ。ーーー
嵐?ここに来てから一日だって雨すら降ったことはない。毎日が晴天だ。変化があるのは雲の量くらい。それが、なぜ嵐?
すると、ぽつりぽつりとヴィーの張ってくれた結界に雨が当たる音がしてくる。
あっという間に空は黒い雲に覆われ、叩きつけるような雨に変わる。
急激な天気の変化に驚き声も出ない。
ーーー竜王が混乱し怒り狂っているんだ。ーーー
え?と思った途端、閃光と地響きがして雷が落ちたのだとわかった。
ーーーこの中にいれば安全だが・・・竜王め、相当混乱しているな。
わかるか、楓。この嵐は竜王が引き起こしている。
鱗を外され自分が鱗を通して感じていた楓の気配が消えたのだ。番を見失った竜王は我を失って暴れているんだろう。ふふ、哀れなことだ。ーーー
「これはクリフ様が起こしているってこと?」
ーーーそうだ。竜王の力は天候をも変えられる。
普段は自然の流れに逆らわない。見守るのが奴の使命だ。
だが、竜王の力は強大だ。精神が安定しなければこういう事になる。ーーー
嘘でしょ。そんなこと聞いてない。
薄笑いを浮かべるヴィーに
「知っててなんで教えてくれなかったの。これじゃあ他の人たちに迷惑がかかっちゃうじゃないの」
と食って掛かった。
ーーー大丈夫だ、数日間嵐が来たところで天上界が無くなることはないだろう。ーーー
「天上界だけの話じゃないわ。地上はもっと繊細だよ。作物とか都市の水害とか」
ーーーそんなことが起こる前に側近たちが竜王を諫めるはずだ。楓が気にすることじゃない。お前はお前で考えなきゃいけないことがあるんだろう?竜王のことはほっとくんだな。ーーー
ヴィーはそれきり黙ってしまい、大きな身体に変化すると身体を丸めて目を閉じてしまった。
ヴィーの張った結界のドームに雨が激しく叩きつけ、曇天の空に雷鳴が鳴り響く。
・・・鱗をはがした私にクリフ様が怒ってるんだ。
私は足元のハーピアの葉っぱの上に置いた白っぽくなってしまった鱗を見つめた。



