わたし竜王の番(つがい)です  ~気が付けば竜の国~

ぷかぷかと浮いているのに飽きた頃、ヴィーが身体を撫でろと言ってきた。

「どうやって?ヴィーはどこにいるの」

ーーーいま実体化する。ーーー

ヴィーがそう言った途端、目の前が明るくなってハーピアの中に自分がいることに気が付いた。

どうやら実体化するのは神鳥じゃなくて私の方だったらしい。

「今は大きい方のヴィーなのね。撫で甲斐がありそうだわ」

目の前にいる大きなレモンイエローの鳥を見上げて私は腰に手を当て胸を張った。

ーーーああ、そうか、そうだなーーー

ヴィーは小さな姿になった。

「一体どっちが本当の姿なの?」

ーーーどちらもだな。
お前がまだしばらくここにいるつもりなら私の羽の手入れをしてくれ。労働の対価としてここにいることを許可してやる。ーーー

「是非ともお願いします」

私はぺこりと頭を下げた。
あれから時間だけが無意味に流れ、私の頭の中の時間は進んでいなかった。
ぷかぷかと浮いているような生活をやめ、ヴィーのお世話をすると決めた。

まだ竜王のことも竜の国のことも考えたくない。

それからはずっとハービアの中でヴィーと一緒に過ごした。

昼間はヴィーの羽を手入れしたり撫で回したり、話し相手をしたり。夜はヴィーの翼とお腹の間に入って丸まって眠る。
空腹は感じないけれど、1日に一度ヴィーに出されたフルーツみたいなものを食べる。
そんな不思議な生活だ。