ーーー楓、少し話をしよう。いいか？－－－

「はい」

ーーーお前が竜の宮殿から落とされて1週間が経っている。ーーー

え？
１週間？そんなに眠り続けていたというのか。

ーーー竜王の怒りと悲しみは凄まじい。番が殺されるところだったのだから当たり前だが。竜の国は大変なことになっている。
竜王は番を害するものを許さない。それが例え貴族でも王族であっても。
楓を殺そうとした赤茶色の男は既に地上に落とされ、魔力を完全に消された上でドブネズミとして奴らの世界で揉まれて屈辱的な扱いをされながら生きている。むしろ死んだ方が楽だと思っているだろうな。ーーー

「・・・ドブネズミですか」

ーーーああそうだ。本来なら死刑だろう。だが、あんな男でも命を取ると楓が気に病むやもしれぬと死刑をやめたと聞いている。まぁどちらがいいのかは私にはわからんが。お前はどちらがよかったんだ？ーーー

「・・・わかりません。判断ができないと言ったらいいのか。ただ、クリフ様が私のせいで自分の国民の命を奪うことにならなかったのはよかったと思いますし、私も自分が間接的にでも人殺しにならなくて良かったと思います」

ーーーピンク色の女にもそう思うのか？ピンク色の女は幽閉されているようだ。この先あの女にどんな処分があるのかは私は知らん。ーーー

「ミーナ様？・・・彼女は処罰されないと思いますが」