だけど仕方ないのかな。

こんな人と出逢っちゃったのも仕方ない。



出逢ってから今まで、ずっと樹の下にあたしは居る。


あれしろこれしろって言われ続けたと思ったら今度は俺のものだなんて言いだす始末……



我が儘だ、我が儘過ぎるよ?



最高に自己中心的、世界の中心は自分だとか思ってそうな、そんな人。

冷たいし、意地悪だし、人一倍にヤキモチ妬きで常に何を考えてるかも全然分かんないし。



言いだしたら悪いところがたくさん。


良い所なんてあるのかも分かんないくらい。



けど、仕方ない。


仕方ないのかもしれないね……



口角が小さく上がったのが自分でも分かる。



理由なんて無くて、必然的な問題。

ただそんな単純で簡単なことしか存在しない訳で……




「……樹」


「ん?」


「大好き…」


「…ふぅん」



腰に回る腕にキュッと力が加わった。


そして耳元で甘く囁く…







「俺は愛してるけどね」



絶対に離さない。

離してなんてやらない。


…逃がさない。


お前は俺のもの。




『“君は、…僕のもの”』






─END





あとがき→