そ、そういうコトって…?


そんなことを考える間もなく、あたしの唇はいつも通り。

強引にも深く塞がれていた。



…速っ?!?!


神業とはきっと、このことなんじゃ……



「…っ……ん…!」

急なことに驚いたせいか、あたしの中の酸素は薄くて。


息が出来ないせいで苦しいよぉ…

目が潤む。


それを確認するかのように閉じていた目を薄く開いた。


…心なしか、それが色っぽくて……


……っ!!

恥ずかしながら頭に火が付いたみたいにボッと熱くなる。



「…嘘つきは、キライ」

唇を離した僅かな瞬間。

樹はそう言った。


それでもあたしには苦しくて、…けど離したくない。

離れたくない…。



不思議な感覚に堕ちてるみたいで。


…クラクラする…


絡まる熱く少しざらついたその樹の舌が、あたしを翻弄するの。



─ガク…ッ!



意識が飛びそうになって、もう一人じゃ身体を支えられず、


あたしはそのまま樹の胸に身を投げた。