コン、コン。 「入ります」 ロークがティーセットを持ってはいってきた。 リズは特に何も言わず、椅子に座り、羽ペンをもった。 「何分で書きあがりますか?」 「10分だ」 短くそれだけを答える。 「上出来です。10分たったら本日のハーブティーもちょうど良いころ合いですね。1秒でも過ぎるとおいしさは半減ですから」 ロークがそうしゃべっている間にもリズは羽ペンを休めることはない。 ロークはリズができるギリギリのところでいつも用意をしてくる。 本当に1分でも過ぎるとおいしくないのだ。