「はーい」
母さんが駆けていき、父さんと母さん、そしてお客様が玄関で挨拶をしている。

しばらくして客間に入って行った。


それから5分ほどして、

「虹子、ちょっと来なさい」
父さんの声。

恐る恐る客間に入ると、黒いスーツの男性が2人。
座りなさいと言われ、私は父さんに並んで座った。
入れ替わるように母さんがお茶の用意に席を立ったため、父さんと私、男性達が向かい合う形になった。


「娘の虹子です」
父さんが紹介し、
「高宮家の執事をしております、菅原と申します」
年長の方の男性が口にした。

高宮家?
それは、あの・・・宮家の高宮家?
え、ええ、一体・・・

「すみません。娘にはまだなにも話していないんです」
キョトンとしてしまった私をフォローするように、父さんが言った。