6月の第3日曜日。

全国的には父の日。

そして、今年は父さんの誕生日。


何か喜んでもらえる物をプレゼントしたいと、少し前から考えていた。

ネクタイとか、財布とか、今までも色々あげたけれど、やはり今年は特別な気がする。

まだ結婚も婚約もしてはいないけれど、家を出て高宮の家に来て初めてのお祝いだからちゃんとしたい。

そんな時、『最近父さんがスポーツクラブに通い出したよ』と、康生に聞かされた。

まあ、私も康生も手が離れつつあるんだから、自分の趣味を持つのはいいことだと思う。

『俺はジムで着るウエアにするから、姉ちゃんはシューズかバックにすれば』

「そうね」

それが一番喜ばれそう。

『せっかくだから、泊まりがけで帰っておいでよ』

「それいいね」

康生と私の間で話が盛り上がり、夕飯のメニューまで決まってしまった。



その日から私はウキウキしていた。

2ヶ月ぶりに実家に帰れるのが、凄く嬉しい。