あれ?コレ本当に六花ですか?

さっきまで俺の寝込み襲うとか恥ずかし気もなく言ってたのと同一人物?

こうして恋人として付き合う様にはなったけれど、相変わらず六花の羞恥ポイントは分かりにくく掴みづらい。

いや、まあ…可愛いんだが。

滅多になく羞恥する六花マジ良い。

見てっ!この目を合わせる事すら恥ずかしいとばかりにチラチラ逃げる視線見てっ!!

食らいつきてぇ…。

あまりに目の前の六花の愛らしさに脳内でばかり悶絶して、フリーズしてしまっていたソルトの本体。

そんなソルトの無反応にとうとう居た堪れなくなったらしい六花と言えばだ、

「っ……じゃ…じゃあそういう事で!!次の満月の日!あっ、朝の10時に中央通りの銀杏並木で!!」

「…………へっ?っ…て、あ、六花!?」

了承の言葉を得るより早く、もう決定事項だと言わんばかりに告げられたのはデートの日程と待ち合わせ場所だ。

それを一方的に告げるなりパッとお馴染みの箒を呼び出した六花颯爽と跨り地面を踏み蹴る。

ソルトが我に返った時には時すでに遅し。

六花の姿と言えばふわりと上空に舞い上がって振り返りもせず超特急で逃げるように飛び去ってしまったのだ。

結果としては、引き止める事叶わなかった片手で虚しく空気を掴んだソルトが一人取り残され呆けているという図の出来上がり。