それから荷物をホテルに預けて、青年の道案内により、東京観光が始まったのだった。 「そういえばお名前伺ってませんでしたね。」 「お互いにですね、そんなかしこまって話さなくても大丈夫ですよ。」 どうしても見知らぬ人と話す時は、かしこまった敬語になってしまう。コミュニケーションが苦手なもので。 「そうでしたね!私も言ってませんでしたね!私は宮古です。よろしくお願いします。」 「はい、僕は……」 そこまで言って何か考える仕草をした青年。 どうしたんだろう? 「えっと、すみません。」