地面に視線を落としたまま
柊さんは話し始めた。
私が公演を観た次の日、昼公演の後にホテルまで私を訪ね
チェックアウトしていても、柊であるとわかった事実確認の為にもどこかで待っていてくれると思っていたらしい
でも辺りを探してもどこにもいない私を公演ギリギリまで一緒に歩いた場所を探し回ったが見つけられず
公演をすっぽかすわけにはいかないからと、最後の公演まで舞台に立ちながら
その合間にとにかく私を探したこと
「絶対見つけてやる!って必死でした。でもどこにもいなくて、今までの会話を全部思い出しても、どこに住んでいるかなんてわからなくて」
手がかりが本当に無くて
と柊さんは眉を下げ寂しそうに揺れる瞳で私を見つめた……


