「幻覚?」 「正真正銘柊本人ですよ」 それは突然すぎて 雲ひとつない空にすら薄暗い気配を感じた。 「なに…して……こんなところに……」 だめ、上手く言葉が出ない。 涙が溢れてしまいそう。 「お迎えにあがったら、もぬけの殻でしたので」 「……でも、だからって」 わざわざ探さなくたって 「奏さん、僕の話を」 まっすぐに私の目を見て彼は 「最後まで聞いてもらえますか」 そう語り掛けてくれた