「つ、着いた…」

私が降り立ったこの地は、日本の中心地。そう、東京。

キャリーケースを引っ張り回して、はるばる地元から出てきた理由、それは……


舞台【終戦のエデン】の東京公演!!


地方公演の少ない、まだ走り出したばかりの舞台だけど、原作は元々大ファンであり、舞台化の情報発表から楽しみにしていた。
そして、なんと言っても。推しが主演!

簡単に言えば、推しが推しをする。そう、私得極まりない舞台。
それは観るしかないじゃない!


そう思い立ってチケットが手に入りやすそうな東京公演を勢いだけで申し込み、ほんとに行けることになるなんて……

「ご用意されました」メールが来た時は年甲斐もなく飛び跳ねて喜んじゃった。

そういうことで、意気揚々と仕事に励んでいたのだけど、心配性な性格が故

「道に迷って公演に遅れちゃったらどうしよう…」

「物販すら買えなかったら?」

と不安が募り……


思わず前日入りすることにしてしまったのです。

その事を母に相談したら


「あら、いいじゃなーい!奏東京行ったことないでしょ?観光もしてきなさいよ〜」

と楽しそうに提案されてしまい……
そういえばそうだなと納得してしまったその時の私。


そして、本日。


公演日の前日に私は東京の地を踏み締めている。



公演日の翌日も休みを取り……


自分への甘さと財布の緩さに、今まさに自己嫌悪しているわ。