男たちはそう言うと、俺のことを5人がかりで一気に攻めてきて、さすがに5対1じゃやり返そうにもかなわなかった。


殴られたり、蹴られたりして、初めてボコボコにやられた。


体中傷だらけになったし、骨にもヒビが入った。


俺があきらめて倒れ込むとそいつらは満足したように笑いながら去っていったけれど、正直俺は悔しくて仕方がなかった。


こんな理不尽なやり方ってあるかよって。5対1とかフェアじゃねぇだろ。


後輩の仕返しのつもりか? そもそもケンカ吹っかけてきたのはそいつらだぞ。


やられたらやり返すなんて、そんなこと繰り返してたら永遠に終わるわけがない。


ケンカなんてマジでくだらねぇ。実にそう思った。


何もかもが嫌になって、そのまま家に帰るのも面倒に思えた。


そのままフラフラと駅に向かって歩いていったはいいものの、道行く奴らにジロジロ変なものでも見るような目で見られて、傷だらけの俺は明らかに『ボコられた奴』って感じだし、そんな姿で電車に乗るのも恥ずかしかった。


「いって……」