「そういえばさ、スマホの画面直ったんだよ」


歩きながら椿くんが話しかけてくる。


「えっ!」


「ほら」


そう言って、手に持ったスマホの画面を見せてくる彼。


見ると、確かにバキバキだったはずの液晶画面が綺麗に直っていた。


「ほ、ほんとだ。よかったぁ……。ごめんね。私が壊しちゃったせいで」


私が申し訳なさそうに謝ると、椿くんはケロッとした顔で答える。


「いいよべつに。たかがスマホだし。それに、そのかわり、心音はちゃんと彼女のフリしてくれてんじゃん」


「う……うん」


そうは言っても、修理代とか結構かかったんじゃないのかなぁ、なんて心配になってしまう。


彼女のフリって言っても、ただ放課後一緒に過ごしてるだけだし、私、大してお役に立てていないような……。


「おかげで毎日楽しいからいいんだよ」


「えっ?」