【完】俺の隣にいてほしい。

「はいこれ、心音のチーズバーガーセット」


「あ、ありがとうっ」


椿くんがそう言って、私の前にハンバーガーやポテトが乗ったトレーを置いてくれる。


二人で向かい合ってテーブルに座ると、なんだか急にまたドキドキしてきてしまった。


ど、どうしよう……。放課後、男の子と二人でこんなお店にいるなんて。


なんかデートみたい。


でも実は、こういうファストフード店って普段あまり来ない場所だから新鮮だ。


私が緊張のあまり固まっていると、椿くんが不思議そうな顔で声をかけてくる。


「食わねぇの?」


「た、食べるよっ」


慌ててチーズバーガーを手に取り、包みを開ける私。


正直、椿くんの前で大きな口を開けるのは、恥ずかしい。


でも、お腹すいてるしなぁ……。


「いただきます」


ドキドキしながら一口ぱくっとかぶりつく。するとその瞬間、お肉とチーズの味が口の中に広がって。


「わぁ、おいしい……」