【完】俺の隣にいてほしい。

そう言われて慌ててスマホを確認したら、確かに5分ほど前に、【校門の前で待ってる】とのメッセージが彼から送られてきていた。


私ったら、全然気づかなかったよ。


「ほんとだ。ごめんね、見てなかった。でも、どうして学校まで……」


「どうしてって……だってお前、今日から彼女のフリしてくれるんじゃねぇの?」


「……っ。えっと、うん。それはもちろん……」


約束したことは間違いないけれど、さっそく今日からなんだ。


「だから、迎えに来た」


椿くんがそう言って、私の手首をギュッと掴む。その瞬間再びドキッと跳ねる心臓。


「あ、あのっ……」


「とりあえず行こうぜ」


そのまま彼は手を引いてスタスタと歩き出したので、私はみんなに注目されながら、学校をあとにした。