【完】俺の隣にいてほしい。

昇降口を出て、いつものように校門の前で椿くんを待つ。


さっき学校が終わったって言ってたから、そろそろ到着する頃かな。


いつもこの時間はワクワクするし、ドキドキする。


大好きな彼に会えるのが嬉しくて。


付き合って、また毎日のように会えるようになったとはいっても、二人で過ごせる時間はやっぱり特別だから。


「心音」


するとその時、聞き慣れた声で名前を呼ばれて。


ハッとして振り向いたら、そこにはいつものように制服姿の椿くんが立っていた……んだけど。


「……えっ!」


その姿を見て、ビックリして思わず声を上げてしまった。


だって椿くん、なぜか髪の色が黒くなっていて、別人みたいなんだもん。


一体どうしたんだろう。


「ど、どうしたの? 椿くん、その頭……」