【完】俺の隣にいてほしい。

あぁ、とうとう聞いてしまった。全部伝えてしまった。


ドクドクとまた鼓動が早くなって、落ち着かなくなる。


椿くんは、どう思ったかな。なんて答えるのかな。


もしかしたら今度こそ、ハッキリ振られてしまうかもしれない。


そう思ったらやっぱり、すごく怖い。


だけど、伝えないまま後悔するよりはきっと、マシだから……。


椿くんは、目を見開いたまま固まっている。


その様子はひどく動揺しているようで、困らせてしまったんじゃないかと不安になる。


どうしよう。迷惑だったかな?


するとそこで、ようやく彼は口を開いて。


「……っ、ウソだろ。本気で言ってんの?」


「うん」


私がコクリと頷いたら、次の瞬間彼の腕が伸びてきて、ギュッと強く抱きしめられた。


驚きのあまり、ドクンと心臓が飛び跳ねる。


「ちょっと待てよ……。これ、夢見てるとかじゃねぇよな?」