メッセージは読まれていないみたいだったので、仕方なく今度は電話をかけてみる。


だけど、結局電話もつながらなかったので、とりあえずそのままそこで待ち続けることにした。


椿くん、スマホを見ていないのかな? もしかして、私の電話だから出てくれないとかだったらどうしよう……。


なんて、一瞬ネガティブな考えが頭をよぎる。


「おい、なんか女子がいるぞ。しかも花園の子!」


「なんだなんだ?」


するとそこで、近くを通った緑丘の男子たちが私のほうを見ながらあれこれ話す声が聞こえてきて。


「うっひょー、可愛い~!」


「彼氏待ってんのかな」


うぅ、どうしよう。なんだかずっとジロジロ見られてるし、すごく気まずいよ。


みんな不良っぽい見た目の派手な人ばかりなので、ちょっと怖い。


でもここは男子校だし、こんなところに女子がいたら、やっぱり目立つよね。


そう考えると、椿くんはいつも花園の校門前で待っていてくれたわけだから、もしかして彼もこんな気持ちだったのかな……。