そう。そのとおりなんだ。


結局私は、あらためて気づいてしまったんだ。


「私ね、氷上くんに告白されて、もちろんうれしかった。でも、その時やっぱり私は椿くんのことが好きなんだって思ったんだ」


二人に向かって、静かにゆっくりと自分の気持ちを語る。


「自分でもどうしてなのかわからないけど、氷上くんがすごくいい人だってこともわかってるんだけど、それでも、どうしても椿くんじゃないとダメで……っ」


そしたらだんだんと気持ちが高ぶって、目に涙があふれてきて。


「どうしても、好きなの……」


しまいにはまた、めそめそと泣き出してしまった。


あぁ、ダメだ。また二人の前で泣いてしまった。


本当に私、どうしようもないなぁ。


「心音……」


「そっか。そんなに好きになってたんだね」


彩実ちゃんがそっとポケットからハンカチを取り出して、私に手渡してくれる。


受け取ったら、彼女は私の目をじっと見ながら真面目な顔で言った。


「でも、だったら後悔しないようにしたほうがいいよ」


「えっ」


後悔……?