【完】俺の隣にいてほしい。

だけど、なんだろう。やっぱりちょっとお互いぎこちない感じがするというか。


今までどおりに話すことができない。いまいち何を話していいのかわからなくて。


どうしよう。何かもっと話すこと……。


そこで私が一生懸命話題を探していたら、椿くんが一言。


「それじゃ、俺もバイトあるから。またな」


えっ……。


あっけなく会話が終わってしまい、ポカンとする私。


ちょっと待って。「またな」って、もう行っちゃうの? もっと話せると思ってたのに。


椿くんはそのまま軽く手を振ると、私に背を向けてスタスタと先に歩いて行ってしまった。


ウソ、でしょ……。


今までに比べてそっけない彼の態度に、ショックのあまり言葉が出ない。


「あ、おい椿、待てよっ」


その後ろを隆太くんたち友達四人が慌ててついていく。


呆然と立ち尽くす私の耳に、隆太くんたちの会話する声が聞こえてくる。


「はぁー、やっぱり俺まだ信じらんねぇよ。椿が心音ちゃんと別れたなんて」


……えっ?