【完】俺の隣にいてほしい。

急に真面目な顔で意味深な質問をしてきたので、驚いた。


どんな存在って、どうしてそんなことを聞くのかな?


本音を言えば、もちろん好きな人だけど。でも、そんなこと言えないしなぁ。


なんて答えればいいのかな。


「えっと……だ、大好きな友達というか。なんかもっと、特別な感じというか……」


うーん。やっぱりうまく言えない。


だって正直に言ったら、好きだってバレちゃうよ。


そしたらそれを聞いた椿くんは、ハハッと眉を下げて笑うと、独り言のようにこうつぶやいた。


「……友達、か。そうだよな」


その表情がなんだかとても寂しそうに見えて、胸の奥がキュッと痛む。


あれ? どうしてそんな顔するの? 私、何か変なこと言ったかな?


無言のままアイスコーヒーを口にする椿くんを見つめながら、彼が何を考えているのか気になって落ち着かなくなる。


だけど、やっぱり聞くことができなかった。


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