冷やかすようなことを言ってくる優里亜ちゃんに、照れながら返す。


「ま、まさかっ。モテてるわけじゃ……っ」


「モテてるじゃーん。もう、どっちのイケメンにするの?」


うぅ、そんなふうに言われると恥ずかしいよ。椿くんたちが私のことを好きかどうかもわからないのに。


「どっちにするって、心音は椿くんが好きなんでしょ」


彩実ちゃんが冷静な顔で優里亜ちゃんに突っ込む。


そこで私は、ずっと言いたいと思っていた昨日の椿くんとのデートの約束を二人に報告することにした。


「あの、実はね、昨日椿くんから、土曜日二人でどこか行こうって誘われて……」


口にした途端、優里亜ちゃんが目を丸くして大声を上げる。


「えーっ、なにそれ! デートの約束ってこと!?」


「あら、よかったじゃん」


「う、うん。こんなふうに休みの日に会う約束したの初めてだから、嬉しくて……。何着ていこうか迷ちゃう」


ダメだな。つい顔がにやけちゃう。


「ちなみに、どこ行くか決まったの?」


「えっと、動物園に……」


「へぇー。いいね、動物園デート」