【完】俺の隣にいてほしい。

そのまま二人話しながら待っていたら、すぐに1曲目の演奏が始まった。


曲はあの有名な『君の瞳に恋してる』という曲で、自分も中学時代に部活で演奏したことがある。


思わず氷上くんのほうを振り向いたら、彼と目が合って、二人でニコッと笑い合った。


そういえば、中学時代はお互い毎日朝練から放課後までハードな練習を頑張っていたんだっけ。


一緒に聴いてると、あの頃を思い出しちゃうな。


そのあとも3,4曲演奏が続き、一通り聞き終えると、二人で中庭をあとにした。


「知ってる曲がいっぱいだったね。なんか私中学時代が懐かしくなっちゃった」


「あぁ、なんか俺もまたサックスやりたくなってきたな」


氷上くんと、あれこれ感想を語り合いながらまた校舎内に戻っていく。


吹奏楽の話になると、いつも以上に話が弾んでしまう。


「毎日練習してた頃を思い出すね。あの頃は大変だったけど、楽しかったな」


「そうだな。俺も楽しかった。毎日藤宮さんにも会えたし」


「えっ」