【完】俺の隣にいてほしい。

なんと、あと少しで釣れそうだというところで、水に濡れた釣り紙が切れて、ヨーヨーがプールの中に落ちてしまった。


「あーっ、残念でしたね~! おしい!」


縁日スタッフの生徒に声を掛けられ、しょんぼりと肩を落とす私。


「でも、釣れなくても一個サービスしてるので、このピンクのヨーヨーあげます!」


だけど、結局そのヨーヨーをサービスでもらえたので、椿くんとヨーヨーを一個ずつ手に持って、その場をあとにした。


「椿くん、上手だね。私、結局落としちゃった」


「はは。惜しかったよな、今の」


二人で会話しながら次のゲームのコーナーへと移動する。なんだかこうしていると、デートみたい。


そして、その後も輪投げや射的などを一緒に楽しんで。器用な椿くんはどのゲームも上手にこなしていたので、縁日スタッフの子たちからもキャーキャー騒がれていた。


縁日を満喫した後廊下に出たら、ちょうど先ほどヨーヨー釣りで見かけた親子が、同じように廊下に出てきたところだった。


男の子が青いヨーヨーを嬉しそうに振り回していて、それを見たお母さんが困った顔で注意する。


「ほら、他の人に当たるから、振り回しちゃダメ。それに、あんまりブンブンしてると落としちゃうわよ」


すると、次の瞬間その言葉通り、男の子の手からヨーヨーの輪ゴムが外れてしまい……勢いよく廊下にたたきつけられたそれは、バシャンと音を立てて割れてしまった。


「あっ」