【完】俺の隣にいてほしい。

クレープ屋の自分のシフト時間が終わった後は、約束通り椿くんが教室まで迎えに来てくれたので、それから二人で一緒に学祭を見てまわることにした。


隆太くんたちは私たちが本当に付き合ってると思ってるから、「ごゆっくり~」なんて言って快く送り出してくれたみたいだけど、まさか今日二人きりで過ごせるとは思ってもみなかったから、すごく嬉しい。


椿くんと歩いていると、道行く人や同じ学校の女子達からジロジロ見られる。


なにせ、椿くんは金髪だし、顔もめちゃくちゃイケメンだし、オーラがあって人一倍目立つから。


そんな彼の隣に自分が並んでいることが、なんだか信じられない気もするけれど、今はこうしていられるのがすごく幸せで、居心地がいいんだ。


嬉しい気持ちが思いきり顔に出てしまいそうになるのをこらえながら歩いていたら、その時突然椿くんの左手が、私の右手に触れた。


ドキッとして隣にいる彼の顔を見上げると、椿くんが尋ねてくる。


「手繋いでもいい? 学校だけど」


そう言われて、いつもは放課後当たり前のように手を繋いでくるけれど、ここは学校の中だから一応確認してくれたのかなって思う。


「う、うんっ」