【完】俺の隣にいてほしい。

「ストロベリーとチョコバナナ、お待たせしました」


できあがったクレープを椿くんや隆太くんたちに手渡す。


みんな知り合いなので、サービスで生クリームやトッピングのチョコを多めに盛って、ボリューム満点にしてあげた。


「サンキュ 美味そうじゃん」


そう言って、笑顔で受け取ってくれる椿くん。


「心音はシフト、何時に終わるの?」


「えっと、12時までだよ」


「そっか。じゃあ終わったら迎えに行く」


「えっ」


ウソ。迎えに来てくれるの? それって……。


「だからさ、あとで、二人で一緒にまわらねぇ?」


なんて、思いがけないことを言ってくれたので、嬉しさのあまり勢いよくうなずいた。


「うんっ! まわる!」


「よし、じゃあ約束な」


椿くんがクレープを持っていないほうの手で、ポンと私の頭に触れてくる。


どうしよう、嬉しい……。


まさかこうして椿くんのほうから、二人で学祭をまわろうって誘ってくれるなんて思わなかったな。


やっぱり私、期待してもいいのかな?


少しくらい、うぬぼれてもいい?


もしかしたら、彼の特別になれたかもしれないって――。



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