【完】俺の隣にいてほしい。

感心したように言われて、自分のことでもないのにちょっぴり照れてしまう。


「うん、実際かなりモテるみたい。他校にファンクラブがあるって言ってたよ」


「なるほどねぇ。それで彼女のフリかぁ。まぁ、見た目はやっぱり不良っぽいけど、思ってたほど悪い人ではなさそうかな」


彩実ちゃんがそんなふうに言ってくれたので、なんだかちょっと安心した。


「うん、すごくいい人だよ」


「向こうは心音のこと、どう思ってるんだろうね?」


続けて彩実ちゃんがクレープの生地に生クリームを絞りながらボソッと呟く。


「ど、どうなんだろう……」


それは私もすごく気になるところだけど。


「でも、わざわざこうして学祭に遊びに来てくれるくらいだから、やっぱりちょっとは好意があるんじゃないの?」


「えっ。そ、そうかな?」


「うん。そんな気がする」


そんなふうに言われたら、ますます期待してしまう。


やっぱり、そうなのかな。彩実ちゃんの言うとおり、椿くんも私にちょっとは好意があるって、そう思ってもいいのかな?