彩実ちゃんも、椿くんが実は料理上手だというそのギャップに驚いたみたい。


「うん。料理するの好きなんだって。普段からよく作ってるって言ってた」


「ちょっと待って、なにそれ。意外すぎる……。ますます会ってみたいかも」


「ふふ、意外だよね。私もビックリしちゃった。でも椿くん本当に優しくていい人だから、彩実ちゃんにも会わせたいな」


私が嬉しそうにそう告げたら、彩実ちゃんがこちらをじっと見つめながらボソッと口にした。


「……心音は、ほんとに椿くんのことが好きなんだね」


「う、うん」


照れ笑いしながら頷くと、とたんに優しい顔になる彩実ちゃん。


「そっかぁ。心音がそんなに言うなら、私も応援しようかな」


「えっ、彩実ちゃん……」


まさか、ずっと椿くんのことを警戒していた彼女がそんなふうに言ってくれるとは思わなかったので、すごく嬉しかった。


「ちょっとちょっとー! 心音っ!」


するとそこで、どこからともなく優里亜ちゃんの大声がして。


何かと思い振り向いたら、優里亜ちゃんがすごく慌てた様子で私のところまで駆け寄ってくるのが見えた。


「どうしたの? 優里亜ちゃん」


「大変だよっ! ついに来たんだってば~、椿くんが!」


「えっ、ウソッ」