【完】俺の隣にいてほしい。

あれ? ちょっと待って。今、俺ん家って……。


「だって、学ラン借りるんだろ。せっかくだし、ついでに家あがってけよ」


椿くんはサラッとそう口にしたけれど、私は突然のことに、頭がついていかない。


だって、家に行くって、それってなんかすごいことのような気がするんだけど。いいのかな?


「えっ……。あの、でも、いいの? 急にお邪魔して」


おそるおそる確認すると、椿くんはニコッと微笑む。


「いいよ、全然。たまには家でゆっくりしようぜ」


「う、うん」


どうしよう。なんか急にすごい展開になってしまった。


だってまさか、椿くんの家にお邪魔することになるなんて。


男の子の家に行くなんて、初めてだよ。


正直すごく興味あるし、行ってみたいと思うけど、それ以上にすごく緊張して、軽くパニックになってる。


好きな人の家にあがるなんて、想像しただけでも、心臓がどうにかなりそうだった。