それは自分でもそうだったらいいなって思うけど、今はまだ自信もないし、伝える勇気もない。


椿くんの本物の彼女になれたらと思う反面、このままの関係を壊したくないような気もするし……。


「優里亜ー! ちょっと助けて~!」


するとそこで、ワイワイ話す私たちの元に同じクラスの演劇部の女の子たちがやってきて、優里亜ちゃんに声をかけてきた。


「どうしたのー?」


優里亜ちゃんはとにかく顔が広くて友達が多いから、彼女の元にはいつもこうやって人が集まってくるんだ。


「今度文化祭でやる劇の衣装で使うから、男子の学ランを何着か借りたいんだよね 。誰か借りれる男の子の知り合いとかいない?」


学ラン、かぁ。今年の劇は学園モノでもやるのかな?


「あ、私借りれるかも! 彼氏に中学の制服まだとってあるか聞いてみるね」


「ありがとー! 超助かる! 他にも誰か借りられそうな人いないかな?」