手を振る心音に軽く手を振り返す。
そのまま背を向けてドアへ向かって歩いていく二人を見ながら、どこか引き止めたいような衝動に駆られる。
そして気が付いたら俺は、彼女の背中に向かって呼びかけていた。
「心音」
立ち止まって振り返った心音に、一言告げる。
「明日の放課後、迎えに行くから」
なんて、わざわざ今言わなくてもいいことなのに。
男と一緒にいる彼女を見たら、変な対抗意識がわいてしまった。
すると心音は、目を見開きながら頷いて。
「うんっ」
その顔がやけに嬉しそうに見えたので、少し救われた気持ちになる。
それにしてもバカだな、俺。何焦ってんだ。
心音のことをあいつにとられるんじゃないかって、そんな気がして。
俺のものじゃないってことなんて、ずっとわかってたはずなのに。
いつのまにか自分の中で心音に対する独占欲が生まれていたことに、驚いていた。
.
*
.
そのまま背を向けてドアへ向かって歩いていく二人を見ながら、どこか引き止めたいような衝動に駆られる。
そして気が付いたら俺は、彼女の背中に向かって呼びかけていた。
「心音」
立ち止まって振り返った心音に、一言告げる。
「明日の放課後、迎えに行くから」
なんて、わざわざ今言わなくてもいいことなのに。
男と一緒にいる彼女を見たら、変な対抗意識がわいてしまった。
すると心音は、目を見開きながら頷いて。
「うんっ」
その顔がやけに嬉しそうに見えたので、少し救われた気持ちになる。
それにしてもバカだな、俺。何焦ってんだ。
心音のことをあいつにとられるんじゃないかって、そんな気がして。
俺のものじゃないってことなんて、ずっとわかってたはずなのに。
いつのまにか自分の中で心音に対する独占欲が生まれていたことに、驚いていた。
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