【完】俺の隣にいてほしい。

女の子たちはギョッとした顔で、言葉を失ったように再び黙り込む。


ど、どうしよう。こいつ一筋だなんて……。


ウソでもそんな大胆なことを言われたら、ドキドキしちゃうよ。


そしたらそこで椿くんが、私から腕を離したかと思うと、自転車のハンドルに再び手をかけて。


「うしろ、乗って」


「えっ！」


なぜか私に自転車の後ろに乗るよう言ってきた。


突然のことに戸惑いを隠せない私。


ちょっと待って。これは、二人乗りするってことかな？


どうして急に……。


だけど、断るわけにもいかなかったので、言われるがまま後ろの荷台にまたがって乗る。


そしたら椿くんもサッとサドルにまたがると、突然片手で私の腕を掴み、それを自分のお腹のあたりにくっつけた。


「危ないから、ちゃんとつかまって」


「え、あ、うん……」


ドキドキしながら両手を彼の腰にまわし、そっとしがみつく。


なんだか抱きついているみたいですごく恥ずかしい。


椿くんの腰回りは腹筋がしっかりついているのかすごく引き締まった感触がして、それにもまたわけもなくドキドキしてしまった。


「行くぞ」


「ひゃっ！」