【完】俺の隣にいてほしい。

そのテンションの高さと勢いに圧倒されてしまう私。


すると、椿くんが彼女たちの問いかけに答えるように、眉間にシワを寄せながら言った。


「誰って、彼女だよ」


その一言で、ピシッと固まる女の子たち。


すると、さらにとどめを刺すかのように、椿くんが続ける。


「悪いけど俺、彼女できたから、もうこれ以上付きまとうのやめてくんない？」


ハッキリとそう言われた女の子たちは、目を見開いてものすごくショックそうな顔をしていた。


「えっ……。ウソでしょ」


「やだ、彼女できたって噂、本当だったんだ」


「ショック。なんでその子なの……」


私はそれを見て、なんだかとても気まずい気持ちになる。


第一私、本当の彼女じゃないし……。


でも、椿くんの女よけのために彼女のフリをするって約束だったんだから、ここは黙って彼女のフリをしていなくちゃいけないよね。


するとその横から、急に椿くんがハンドルを掴んでいないほうの手で、私の肩をぎゅっと抱き寄せて。


「とにかく、俺はこいつ一筋だから。他の奴には一切興味ないから」


そんなふうに宣言したので、驚きのあまり心臓が思いきり飛び跳ねた。


「なっ！」


「えぇっ！」


「ウソ……」