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そんなこんなで、私は何故か、朝四時半の海水浴場にいる。住んでいる街にあったのが幸いだ。でなければ昨日の最終電車で出向かわなければいけないし、そんなことお母さんもお父さんも許すはずがない。


昨日の、井ノ上くんへの愚痴大会からの早朝起床の可否を問われ、可だと頷いたところ、翌日の約束を取り付けられた。


まだ空は徐々に明けている最中で、道路は配達関係の車両がちらほら走る程度。


そんな中、待ち合わせ場所に現れた井ノ上くんは小玉スイカを一玉小脇に抱えていて、来るやいなや当然の如くスイカ割りが始まる。スイカをレジャーシートの上に置き、私の背後に回り込み目隠しの手拭いを巻く。棒を持たされ、井ノ上くんの導きを頼りに、流されるままゲームに興じてしまった。


だって、楽しかったのだ。そしてスイカは甘くて美味しかった。


昨日、平気な日差しの程度を問われた。この井ノ上くんのお誘いは、私の鬱憤を昇華させる為にしてくれたことだと容易に理解出来る。