「ま、またそうやってからかう」 「からかってないって」 信じて、というかのように、私の体を包むその腕にぎゅっと力を込めた。 同じような言葉でも、森くんに言われた時とは違う。 恥ずかしくて、嬉しくて、全身が熱くなる。 そういうことを言われたら、また勘違いしてしまう。 他の人とは違う気持ちで、私を見てくれているんじゃないかって、期待する。 あの頃と同じように、ううん、あの頃以上に。 あなたにときめきを感じている。