ドンッという音を合図に花火大会が始まった。
「綺麗。」と隣で言う彼女。
俺も一緒に花火を見る。
「そうだな…」俺は言った。

「この時間が一生続けば良いのに…」彼女は中盤になる頃、呟いた。
「来年も来ようか?」俺は聞いた。
「うん…」彼女は悲しそうに頷く。
儚く散りゆく花火を目の前にした彼女はどこか、細くて儚くて、花火と一緒に散ってしまう様な気がした。
俺は、彼女の手を握った。
消えない様に、散らない様に…
彼女は、驚いた顔をしていたが、俺の気持ちが届いたのか、そっと握り返してくれた…