会場に近付くにつれ、人が多くなっていく。
俺は、彼女の手を離さないようにしっかりと握った。
屋台に近付きリンゴ飴を買う。
「はい。手、大丈夫?」俺は、渡して少し赤くなった手を見て言った。
「大丈夫。」彼女は言った。
「あっちに行こうか…」俺は川原を指差して言った。
「うん。」

行ってみると、意外と人は居なかった。
座って、飴を舐める。
「おいしい。」と隣でいう彼女を横目で見ながら俺も舐める。
甘酸っぱい味がした…