私は理人の姿が見えなくなるまで見送りしたかったけど、理人の後ろ姿を見て涙が出てきそうになったので帰ることにした。



「───莉子っ!」


もう行ったと思っていた理人が戻ってきて、後ろから私を抱き締めた。


「っ!?」



「愛してる。だから、俺が立派になったら結婚しよう。」



そう言って私の左手の薬指に指輪をはめた。



「り、りとっ!これ…」



「マリッジリング、婚約指輪だよ。結婚したら2人の指輪買おう。」



「うぅ。わかったぁ…。」



「泣くなよ。笑って見送って。」