「リン様、大丈夫ですか?」

「ダヴィ、私こそ迷惑を掛けてごめんね。」

「私達は問題ございません。ロイ様で慣れてますので。」


何でもない風に話すダヴィに、少し気持ちが軽くなる。

こんなに騒がれるなんて予想していなかったのだ。


「黒猫………、リン様らしい広告ですね。」

「プロのお陰でね。」

「いえ、初めてお見掛けしたリン様も黒猫のようでしたから。」

「ロイにも言われたわ。」


そう。

ロイも初めて見掛けた私を黒猫のようだと言っていた。

シャノワールでは幸運と呼ばれている黒猫。

黒髪にオッドアイ、そして黒のワンピースを着た私は黒猫のように撮影された。

そして魅惑のスイーツとして新商品を発売したのだ。