約束の時間に海辺に到着した。

繋がれたロイの手に力が籠められる。


「レアードさん?」

「わかってる。リン、後で。」


私の手を名残惜しそうに離したロイが私とユートから離れていく。

その背中を見つめた。


「リンはシャノワールで幸せそうだね。」


ユートを見る。

少し寂しげに見える。


「ユートは幸せじゃないの?」

「俺は………苦労した。この仕事だって誰でも出来るからだし、それに………。」


言葉を区切ったユートが遠くの地平線に視線を向けた。


「いつか俺は日本に帰りたい。」

「帰る?そんなの無理じゃない?」

「キーは見つけてる。」

「キー?」

「雷。」


私と同じだ。

やっぱり雷が原因なの?

疑問をユートにぶつけてみた。