「神田様」
「……組長がいない今、若頭に従うのが妥当では?」
「君たち何している、組長の命令を忘れたのか。
拳銃をおろせ」
ふと宮木さんの雰囲気が変わった。
脅すような冷たい口調。
宮木さんから笑みが消え、さらに空気が凍りつく。
黒服の男たちは一瞬怯み、拳銃を下ろした───
けれど。
「裏切り者を捕らえるため、情報を聞き出して何が悪いのです?別に命の危険に晒すわけではない。
賢い皆さんなら、今この状況でどうするべきかわかるでしょう?」
神田のひと言で揺れていた心を立ち直し、また拳銃を構える姿勢へと戻す。
この状況で神田に逆らえるものはいないということを思い知らされた。
元々雪夜が神田組を“裏切ること”にならないため、素直に神田の言うことを聞くつもりだったけれど。
宮木さんは私の前に立ち、庇う仕草であるため口を開くことすらできない。
「御園様が口を開かなかったらどうするおつもりですか」
「無理矢理口をこじ開ければいい話です」
ゾッとした。
拷問紛いなことをされるのだと瞬時に理解する。



