んー、 母さん、なんて響きは 妙に違和感がある。 やっぱり、 クソババァの方が呼びやすい。 「アンタ、何で夕べ 帰ってこなかったのか 説明しなさい! まさか、風俗店に 入ったんじゃないでしょうね!」 げっ、まだ声でけぇ。 歩道橋を通るサラリーマンが、 ギョッとしたような顔で 俺の方を見る。 「入るかよ! つか大声で言うな! 通行人が俺を 変な目で見てくるからやめろ」 俺が言うと、 クソババァは「いい気味」と 笑いながら言った。 はぁー……。 俺はため息を漏らす。