「そう言えば、 シュガーちゃんはどこに 行ったかわかるかい?」 親父が周りを 見回しながら聞いた。 シュガーちゃん、 と親父が呼ぶのはさっき 席を立った赤いドレスの女だ。 オーナーは「あぁ…」と笑いながら 声を漏らし 「控え室に行ったわ。化粧直しですって」 と彼女が先程立ち去った 煌びやかな壁の方を指さす。 化粧直しか。 そのために何度も席立って 大変だな、女ってのは。 「そうかい。 じゃあ、さっきの喧嘩を していた子たちは、 何であんなに仲が悪いんだい?」